本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。
結論:指標は「増やす」ほど判断が遅くなる。使うなら1つで十分
テクニカル指標の解説は無数にありますが、指標を増やして勝てるようになった人を私は知りません。
私は短期トレードを2年ほど毎日やってきましたが、指標を増やした時期に成績は上がりませんでした。むしろ、判断が遅くなり、都合のいい指標だけを見るようになりました。
指標が5つあれば、そのうち2つは必ず「買い」を示しています。人は自分が入りたい方を示している指標を見ます。 これが指標を増やすことの本当の危険です。
そのうえで、代表的な指標であるRSIとMACDを、どう位置づけて使うかを書きます。
その前に——指標には2種類ある
まずここを分けないと混乱します。
| 種類 | 何を見るか | 代表例 | 得意な相場 |
|---|---|---|---|
| トレンド系 | 方向と勢い | 移動平均線、MACD | 方向が出ている相場 |
| オシレーター系 | 買われすぎ・売られすぎ | RSI | 横ばい(レンジ)相場 |
この2つは、得意な相場が正反対です。
だから「RSIが売られすぎだから買う」が通用するのは横ばい相場だけで、下落トレンドの最中にやると、そのまま下げ続けて負けます。
指標が効かないのは、指標が悪いのではなく相場の状態と指標が合っていないからです。まず移動平均線で方向が出ているかを見る——これが順番です。
RSI——買われすぎ・売られすぎを測る
RSIは、一定期間の値動きのうち、上昇分がどのくらいの割合かを0〜100で表した指標です。期間は14が標準です。
| 数値 | 一般的な解釈 |
|---|---|
| 70以上 | 買われすぎ |
| 30〜70 | 中立 |
| 30以下 | 売られすぎ |
RSIの正しい使い方は「逆張り」ではない
多くの解説が「70で売り、30で買い」と書いています。この通りにやると、トレンド相場で轢かれます。
強い上昇トレンドでは、RSIは70以上に張り付いたまま上がり続けます。 70で売った人は、そこから何度も踏み上げられます。
私が実際に使っているのは、この2つです。
① 横ばい相場での、支持線・抵抗線の補強
支持線まで下がってきて、なおかつRSIが30近辺。この2つが揃ったときだけ反発を狙う。RSI単独では入りません。
② トレンドの勢いが落ちてきたサイン(ダイバージェンス)
価格は高値を更新したのに、RSIは前の高値を超えていない——この食い違いを「ダイバージェンス」と言います。
上昇の勢いが落ちていることを示すので、新規で買わない理由になります。ただし「だから売る」ではありません。入らない判断に使うほうが安全です。
この考え方は出来高の見方と同じ構造です。「価格は上がっているのに、勢いを表す数字が落ちている」——見ている数字が違うだけで、読んでいるものは同じです。
MACD——移動平均線を見やすくしたもの
MACDは、期間の違う2本の移動平均線の差を線にした指標です。名前は難しく見えますが、中身は移動平均線です。
構成は3つ。
- MACD線 … 短期と長期の移動平均の差
- シグナル線 … MACD線をならしたもの
- ヒストグラム … MACD線とシグナル線の差を棒で表したもの
見方は2つだけ
① ゼロラインより上か下か
- ゼロより上 … 短期が長期を上回っている=上昇の地合い
- ゼロより下 … 下降の地合い
② MACD線とシグナル線の交差
- MACD線がシグナル線を上抜け … 買いサイン
- 下抜け … 売りサイン
MACDの弱点は「遅れる」こと
MACDは移動平均線から作られているので、必ず後から反応します。 サインが出た時点で、値動きはすでにある程度進んでいます。
だから、MACDのサインが出てから飛び乗ると高値掴みになりやすいです。
使い方としては、
- エントリーの合図としてではなく、地合いの確認として使う
- ゼロラインより上なら買い目線、下なら買わない——目線を決める道具
これくらいの距離感がちょうどいいと思っています。
【本題】指標を増やしてはいけない理由
ここが一番書きたい部分です。
指標を追加すると、判断材料が増えて精度が上がる——そう思いがちですが、実際には逆のことが起きます。
1. 都合のいい指標を見るようになる
指標が5つあれば、たいてい2〜3つは「買い」を示しています。入りたい気持ちがあるとき、人はその2〜3つを見ます。
これは指標の問題ではなく、指標が多いと「根拠を後から選べてしまう」という構造の問題です。
2. 判断が遅くなる
デイトレでは数秒〜数分で判断します。5つの指標を確認していたら間に合いません。
3. 検証できなくなる
負けたとき、何が悪かったのか分からなくなります。 指標が1つなら「その指標が機能しない相場だった」と特定できますが、5つあると原因が絞れません。
経営でも同じです。 見る指標を増やした会社ほど意思決定が遅くなります。数字を10個並べたレポートより、「今月はこの1つを見る」と決めているほうが、動きは速くて正確です。
私の結論
軸は1つ、補助は多くて1つ。
私の場合は「移動平均線で方向 → 支持線・抵抗線で位置 → 出来高で信頼度」で完結していて、RSIとMACDは必要なときだけ見る補助です。常時表示すらしていません。
使う順番——指標より先に決めるべきこと
順番を間違えている人が非常に多いので、明記しておきます。
1. どの銘柄を触るか(デイトレの銘柄選び)
2. どこで入るか(支持線・抵抗線=価格の位置)
3. どこで切るか(損切りルール)
4. 株数はいくつか(損切り幅から逆算)
5. ——ここまで決まってから、はじめて 6. 指標で補強する
1〜4を飛ばして指標から入る人は、指標をいくら勉強しても勝てません。 指標は「入る理由」を強くするものであって、「切る場所」を教えてくれないからです。
チャート環境について
指標を切り替えて検証するには、表示のカスタマイズがしやすいかが効いてきます。ただし前述のとおり、常時表示する指標は絞ってください。
デイトレ目線で見るのは3点です。
1. チャートの時間軸と指標の切り替えがしやすいか
2. 板と歩み値がリアルタイムで見られるか
3. 手数料の体系
私が使っているのは松井証券です。1日の約定代金50万円までなら手数料が無料で、一日信用取引の手数料も抑えられるので、少額で回数をこなして経験を積む段階と相性がいいと感じています。
もう1つ挙げるならDMM株です。日本株と米国株を同じアプリで扱えて、板から直接発注できる高機能ツールも用意されています。ツールの操作性を重視するならこちらも候補になります。
口座は複数持っておいて損はありません。 使い勝手は触るまで分かりませんし、システム障害で片方が使えなくなることもあります。比較はネット証券のおすすめ比較にまとめています。
よくある質問
Q. RSIとMACD、どちらか1つなら?
MACDです。中身が移動平均線なので、移動平均線の考え方とそのままつながります。RSIは横ばい相場専用と割り切ったほうが混乱しません。
Q. RSIが30以下なら買っていいですか?
トレンドを確認してからにしてください。 下落トレンドの最中なら、30以下からさらに下げ続けます。RSIが効くのは横ばい相場だけです。
Q. MACDのゴールデンクロスで買えば勝てますか?
勝てません。MACDは遅れて反応するので、サインが出た時点で値動きは進んでいます。目線を決める道具として使い、入る位置は支持線・抵抗線で決めてください。
Q. 設定値は変えたほうがいいですか?
まずは標準設定で使ってください。設定をいじり始めると、過去に一番当たる数字を探す作業になります。 それは検証ではなく、後付けです。
Q. 指標は何個まで表示していいですか?
軸1つ+補助1つまで。それ以上は、判断ではなく言い訳のための材料になります。
Q. ダイバージェンスだけで売ってもいいですか?
おすすめしません。「新規で買わない理由」として使うのが安全です。売りで入るなら、価格が実際に支持線を割ったことを確認してからにしてください。
手法が機能しているかを判定する方法はトレード記録のつけ方を参照してください。
まとめ
1. 指標は増やすほど判断が遅くなり、都合のいいものを見るようになる
2. トレンド系とオシレーター系は、得意な相場が正反対。まず相場の状態を見る
3. RSIは横ばい相場専用。「30で買い」を下落トレンドでやると轢かれる
4. RSIのダイバージェンスは「入らない理由」に使う
5. MACDの中身は移動平均線。遅れて反応するので、目線を決める道具にする
6. 軸は1つ、補助は多くて1つ
7. 銘柄・入る位置・切る位置・株数が先。指標はその後の補強でしかない
指標の勉強は楽しいので、つい増やしたくなります。でも成績を決めているのは、指標の数ではなく、切る場所を決めているかどうかです。
デイトレの全体像は株のデイトレの始め方、切る場所の決め方は株の損切りルールの決め方にまとめています。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。指標の名称・設定は証券会社によって異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いします。株式投資は元本割れのリスクがあります。必ず余剰資金で行ってください。


コメント