結論:所得税は「所得20万円以下」なら申告不要。でも住民税は別。ここが最大の誤解
副業を始めた会社員がまず気にするのが「確定申告っていくらから必要なの?」という点です。よく聞く「20万円ルール」、結論から言うとこうです。
- 給与を1か所からもらう会社員は、副業の“所得”が年間20万円以下なら、所得税の確定申告は不要。
- ただし——これは所得税だけの話。住民税は20万円以下でも申告が必要です。ここを知らずに「20万円以下だから何もしなくていい」と思い込むのが、いちばん多い失敗です。
私は自分の事業で確定申告を毎年やっていますが(運営者の話)、副業の税金は「所得税」と「住民税」を分けて考えるだけで、9割の混乱がなくなります。順番に整理します。
そもそも「20万円ルール」とは何か
正式には、給与所得者で、給与・退職金以外の所得の合計が年間20万円以下なら、所得税の確定申告をしなくてよいという決まりです。会社員は毎月の給与から所得税が源泉徴収され、年末調整で精算されているため、少額の副業まで申告させるのは手間だから——という趣旨の特例です。
ポイントは3つあります。
- 「所得税」の申告が不要になるだけ(住民税は別。後述)
- 判定は「収入」ではなく「所得」(=収入から経費を引いた後の金額)
- 使えるのは年末調整を受けている、給与1か所の会社員が基本
判定は「収入」ではなく「所得」= 経費を引いた後の金額
ここを間違える人が非常に多いです。20万円は売上(収入)ではなく、所得(=収入 − 経費)で判定します。
例えば、
- 副業の売上が 30万円、かかった経費が 12万円
- → 所得は 30 − 12 = 18万円 → 20万円以下なので所得税の申告は不要
売上だけ見ると「30万円だから申告が必要」と思ってしまいますが、経費を引いた所得で見れば20万円以下になることもあります。だからこそ、日頃から経費を漏れなく記録しておくことが、税額にも申告要否にも効いてきます(経費管理は副業用のクレジットカードを分けると一気にラクになります)。
※「所得」の計算方法は副業の種類(事業所得・雑所得など)で変わります。物販・せどりの具体例はせどり・転売の確定申告で詳しく解説しています。
【最重要】20万円以下でも「住民税」の申告は必要
ここが記事のいちばん大事なところです。
20万円ルールは「所得税」だけの特例で、住民税には適用されません。
つまり、副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、お住まいの市区町村に「住民税の申告」を別途行う必要があります。住民税には20万円の非課税枠のようなものはなく、1円でも所得があれば本来は申告対象です。
逆に言うと——
- 確定申告(所得税)をすれば、その情報が自治体にも共有されるので、住民税の申告は別途不要(自動的に処理されます)
- 確定申告をしない(20万円以下)場合のみ、住民税の申告だけは自分でやる必要がある
「副業がバレたくない」という観点でも、この住民税の扱いは超重要です。放置すると後で追徴・延滞のリスクもあります。住民税と会社バレの関係は副業が会社にバレない方法(住民税の仕組み)で整理しています。
「20万円ルール」が使えない人(要注意の例外)
次に当てはまる人は、副業の所得が20万円以下でも確定申告が必要、またはしたほうが得です。
- 給与の年収が2,000万円を超える人(そもそも年末調整されない)
- 2か所以上から給与をもらっている人
- 医療費控除・住宅ローン控除(初年度)・ふるさと納税(ワンストップ特例が使えない)などで、そもそも確定申告をする人
→ この場合、20万円以下の副業所得も申告に含める必要があります(「確定申告をするなら、20万円ルールは使えない」と覚えておく)
- 副業が赤字で、他の所得と損益通算したい人(事業所得の場合)
- 副業の所得が20万円を超える人(そもそも申告が必要)
特に「ふるさと納税や医療費控除で確定申告するつもりの人」は、副業の少額所得も一緒に申告しないと申告漏れになるので注意してください。
副業の所得は「事業所得」か「雑所得」か
確定申告をするとき、副業の所得区分が「事業所得」か「雑所得」かで扱いが変わります。ざっくり言うと——
- 事業所得:継続的・反復的に、事業として営んでいるもの。帳簿の記帳と保存があることが一つの目安。青色申告特別控除(最大65万円)や損益通算が使えるなど、税制メリットが大きい。
- 雑所得:片手間・単発に近いもの。帳簿がないと基本こちら。メリットは限定的。
私自身の目安は、副業の利益が月10万円を継続的に超え始めたあたり。ここまで来たら「これは事業として続くもの」と判断して、開業届を出して青色申告に切り替える価値が出てきます。正直に言うと、私は自分の事業を最初から法人でスタートしました。理由は、税制面の優遇が個人より法人のほうが手厚いからです。ただし法人は設立・維持のコストもかかるので、副業から始める段階では、まず個人で開業届→青色申告、利益が育ったら法人化という順番が現実的です(法人化のタイミングと目安)。
「これは事業として続けていく」という段階になったら、開業届を出して青色申告にすると節税の幅が大きく広がります(やり方は開業freeeの使い方へ)。
確定申告が必要なら、会計ソフトで一気にラクになる
「申告が必要」となったとき、いちばん心が折れるのが帳簿づけと書類作成です。ここは手書き・エクセルで消耗せず、会計ソフトに任せるのが正解。私も法人・個人の経理はソフトに集約しています。
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よくある質問(FAQ)
Q. 副業の売上が20万円を超えたら申告が必要?
A. 判定は「売上」ではなく「所得(売上−経費)」です。売上25万円でも経費が6万円あれば所得19万円で、所得税の申告は不要になり得ます(住民税の申告は別途必要)。
Q. 20万円以下なら本当に何もしなくていい?
A. いいえ。所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告は必要です。ここが最大の誤解ポイントです。
Q. 会社にバレたくないのですが?
A. 住民税の納付方法(普通徴収/特別徴収)が関係します。詳しくは副業が会社にバレない方法へ。
Q. 赤字でも申告したほうがいい?
A. 副業が事業所得なら、赤字を給与所得と損益通算できる場合があり、申告で税金が戻ることがあります。
Q. いつ・どうやって申告するの?
A. 原則、翌年2月16日〜3月15日の間に、前年1〜12月分を申告します。会計ソフトを使えば必要書類をそのまま作成できます。
株式の譲渡益は分離課税で計算が別になります。詳しくは株の税金と特定口座をご覧ください。
まとめ
- 会社員の副業は、所得(=収入−経費)が20万円以下なら所得税の確定申告は不要
- ただし住民税の申告は20万円以下でも必要(ここが最大の誤解)
- 判定は売上ではなく所得。だから経費の記録が大事
- 医療費控除・ふるさと納税などで確定申告する人は、20万円以下でも副業所得を含める
- 申告するなら会計ソフトで時短。迷ったらfreee、比較はfreee vs マネフォへ
「いくらから?」の一歩先まで理解しておけば、副業のお金まわりで慌てることはなくなります。まずは経費をきちんと記録するところから始めましょう。
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- 税制は改正されること、個別事情で扱いが変わることがあります。最終的な判断は必ず税務署・税理士等の専門家にご確認ください。
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利益が増えてくると、確定申告だけでなく法人化も選択肢に入ってきます。判断の目安は副業を法人化するタイミングにまとめています。
なお「所得=収入−経費」の経費側について、どこまで認められるかは副業の経費はどこまで認められる?で家事按分の実務まで解説しています。


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