ローソク足の見方|パターンの暗記より先に、実体とヒゲの2つだけ覚える

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結論:ローソク足は予測の道具ではなく、「その時間に何が起きたか」の記録

ローソク足の解説を読むと、たいてい何十種類ものパターンが並んでいます。名前のついた組み合わせを覚えれば読めるようになる——そう思って挫折した人が多いはずです。

私は短期トレードを2年ほど毎日やってきましたが、実際に使っているのは2つだけです。

1. 実体の大きさ(その時間帯、どちらが押していたか)
2. ヒゲの長さと位置(どこまで行って、どこから戻されたか)

ローソク足は未来を当てる装置ではありません。「その時間の中で、買いと売りがどう競り合ったか」の記録です。記録として読めば十分に役に立ちますし、予言として読もうとすると必ず外れます。

この記事では、その読み方だけに絞って書きます。

ローソク足の作り——4つの価格でできている

1本のローソク足は、始値・高値・安値・終値の4つの価格からできています。

  • 実体(太い部分)= 始値と終値の間
  • ヒゲ(細い線)= 実体からはみ出した高値・安値

そして、

  • 陽線= 終値が始値より高い(上がって終わった)
  • 陰線= 終値が始値より低い(下がって終わった)

日本の証券会社では陽線が赤(または白)、陰線が青(または黒)で表示されるのが一般的です。

ローソク足の作り:実体とヒゲ。始値・高値・安値・終値の4つでできており、ヒゲは行ったけど戻された痕跡
ローソク足の作り。ヒゲの先端は支持線・抵抗線の候補になる

読むのは2つだけ

1. 実体の大きさ=力の差

実体が長いほど、その時間帯は一方が押し切ったということです。

  • 長い陽線 … 始値からほぼ一直線に上がって終わった。買いが強い
  • 長い陰線 … 売りが強い
  • 短い実体 … 買いと売りが拮抗し、ほとんど動かなかった

シンプルですが、これだけで「今この銘柄はどちらに傾いているか」は分かります。

2. ヒゲ=「行ったけど、戻された」痕跡

ここが本質です。 そして多くの初心者が軽く見ている部分でもあります。

ヒゲは、その価格まで一度は到達したのに、終値まで戻されたことを意味します。

  • 上ヒゲが長い … 一度は上まで買われたが、売られて押し戻された。その価格帯に売りたい人がいる
  • 下ヒゲが長い … 一度は下まで売られたが、買われて戻された。その価格帯に買いたい人がいる

つまり、

ヒゲの先端は、支持線・抵抗線の候補になります。

これが実務でいちばん使える読み方です。長い上ヒゲが何度も同じ価格帯で出ているなら、そこは明確な抵抗帯です。パターンの名前を知らなくても、この事実だけで損切りラインを置く場所が決まります。

覚えるのは5つで十分

特徴 読み方
大陽線 実体が長い陽線・ヒゲが短い 買いが一方的に強かった
大陰線 実体が長い陰線・ヒゲが短い 売りが一方的に強かった
上ヒゲの長い足 上に長いヒゲ 上値が重い。売り圧力がある
下ヒゲの長い足 下に長いヒゲ 下値を支えた。買い圧力がある
十字線 実体がほとんどない 買いと売りが拮抗。方向感なし

酒田五法をはじめ、名前のついたパターンは他にもたくさんあります。でも、覚える順番としては後です。

理由ははっきりしています。名前を知っていることと、その場で判断できることは別物だからです。実際のチャートの前で「これは何という形だったか」を思い出している間に、値動きは終わっています。

先にやるべきは、この5つを実際のチャートで数えることです。自分が見ている銘柄で、長い上ヒゲがどの価格帯で出ているかを10回数えるほうが、パターン名を30個覚えるよりはるかに効きます。

【最重要】1本だけで判断してはいけない

ローソク足でいちばん多い誤用が、1本の形だけを見て「ここは天井だ」と決めることです。

同じ形でも、意味はまったく変わります。

例:下ヒゲの長い陽線

出た場所 意味
下落トレンドの安値圏・出来高を伴う 反転の候補になる
上昇の途中・出来高もない ほぼ意味がない

形そのものに意味はありません。位置と出来高が意味を与えます。

必ずこの3つとセットで見てください。

1. どこで出たか支持線・抵抗線移動平均線の近くか
2. 出来高を伴っているか … 人が動いていない反転はだましになりやすい
3. その前の流れ … トレンドの途中か、終わりかけか

「安値圏で、支持線の上で、出来高を伴って、長い下ヒゲが出た」——ここまで揃ってはじめて根拠になります。1つでも欠けているなら、それは根拠ではなく期待です。

時間軸で意味が変わる——上位足の確認を飛ばさない

ローソク足1本が表す時間は、表示している時間軸によって変わります。

  • 日足の1本 = その日1日の記録
  • 5分足の1本 = その5分の記録

デイトレでは1分足・5分足を主に見ますが、判断の基準になる価格の水準は、日足や週足で確認してください。

5分足だけを見ていると、日足で何度も跳ね返されている抵抗線に気づきません。 5分足では綺麗な上昇に見えても、上位足では「毎回そこで止まっている価格」に向かっているだけ、ということが普通に起きます。

私が実際にやっている順番はこれです。

1. 日足で、意識されている価格帯(何度も止まっている水準)を確認する
2. 5分足で、その価格帯に近づいたときのローソク足とを見る
3. 根拠が揃ったら入る。同時に損切りの逆指値を置く

上位足を見ずに短い足だけで判断するのが、初心者がいちばんやりがちな失敗です。

正直に言うと、覚えなくていいこと

情報量を増やすより、減らすほうが役に立つと思うので書いておきます。

  • 酒田五法の全パターン … 名前を覚えても判断は速くなりません
  • すべての組み合わせパターンの暗記 … 実際に使うのは数種類です
  • ヒゲの長さの厳密な比率 … ゾーンで見れば十分です

私が2年間毎日見て最後まで残ったのは、「実体の大きさ」「ヒゲの位置」「どこで出たか」の3つだけでした。

経営でも同じで、指標を増やすほど意思決定は遅くなります。見るべき数字を減らして、その数字を毎日見るほうが判断の質は上がります。 チャートも同じです。

チャートを見る環境について

ローソク足は、時間軸をすぐ切り替えられるかで使い勝手がまったく違います。日足と5分足を行き来しながら見るので、ここが重いとそれだけで判断が遅れます。

証券会社を選ぶときに見るのは3点です。

1. 時間軸の切り替えと複数チャートの表示がしやすいか
2. 板と歩み値がリアルタイムで見られるか
3. 手数料の体系(回数をこなすほど効きます)

私が使っているのは松井証券です。1日の約定代金50万円までなら手数料が無料で、一日信用取引の手数料も抑えられるので、少額で回数をこなして経験を積む段階と相性がいいと感じています。

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もう1つ挙げるならDMM株です。日本株と米国株を同じアプリで扱えて、板から直接発注できる高機能ツールも用意されています。ツールの操作性を重視するならこちらも候補になります。

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口座は複数持っておいて損はありません。 ツールの使い勝手は触るまで分からないうえ、システム障害で片方が使えなくなることもあります。比較はネット証券のおすすめ比較にまとめています。

よくある質問

Q. ローソク足だけで売買してもいいですか?
おすすめしません。ローソク足は「どこで出たか」で意味が決まるので、支持線・抵抗線や移動平均線と必ず組み合わせてください。単独では根拠になりません。

Q. 陽線が続いていれば買っていいですか?
陽線が続いている=これまで買いが強かった、という記録です。これから続くかどうかは別です。むしろ上昇が続いた後は、どこで止まりやすいかを先に確認してください。

Q. ヒゲがない足(丸坊主)はどう読みますか?
始値から終値まで一方向に動いたということなので、その時間帯は完全に一方が押し切ったと読めます。勢いは強いですが、その分だけ反動も出やすい形です。

Q. デイトレでは何分足を使えばいいですか?
判断は1分足か5分足、水準の確認は日足という組み合わせが基本です。使う足を増やしすぎると迷うので、まずは5分足と日足の2つで十分です。

Q. パターンを覚えるのは無駄ですか?
無駄ではありませんが、優先順位が低いという意味です。実体・ヒゲ・位置の3点が読めるようになった後なら、パターンの知識は補強になります。順番を逆にすると身につきません。

Q. 練習方法はありますか?
自分が見ている銘柄の過去チャートで、長いヒゲが出た価格帯に線を引いていくのが最も実用的です。同じ価格帯に何度もヒゲが集まることが体感で分かります。銘柄の選び方はデイトレの銘柄選びにまとめました。

ローソク足に意味を与えるもう一つの要素、出来高については出来高の見方にまとめました。

ローソク足に指標を足すべきかどうかはRSIとMACDの使い方にまとめました。

まとめ

1. ローソク足は予測装置ではなく、その時間に何が起きたかの記録
2. 読むのは実体の大きさとヒゲの位置の2つだけ
3. ヒゲは「行ったけど戻された」痕跡。ヒゲの先端は支持線・抵抗線の候補になる
4. 覚える形は5つで十分。パターンの暗記は後回しでいい
5. 1本だけで判断しない。位置・出来高・その前の流れとセットで見る
6. 上位足で水準を確認してから短い足を見る。5分足だけ見るのが典型的な失敗
7. 見る指標を減らして、毎日見るほうが判断は速くなる

ローソク足が読めるようになると、チャートが「形の集まり」ではなく「その日そこで何が起きたかの記録」として見えてきます。そうなると、どこに損切りを置くべきかも自然に決まります。

デイトレの全体像は株のデイトレの始め方、切る場所の決め方は株の損切りルールの決め方にまとめています。

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。株式投資は元本割れのリスクがあります。必ず余剰資金で行ってください。

はらおじさん

「副業のしくみ」運営者・はらおじさん。26歳で成長企業に役員(No.3)として参画し、年商3,000万円規模から数十億円規模への成長を、新規事業立ち上げやM&Aの現場で経験。持ち株のない“雇われ役員”の限界を痛感して独立し、自分の事業を年商2億円に育てる。株のデイトレ(テクニカル分析)と長期投資15年、せどり・物販まで「稼ぐ力」と「増やす力」を自分で実践。会社に依存しない生き方を、実体験と一次情報で発信しています。

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